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PRODUCTS STORY

額賀円也 × PRODUCTS STORE
たっぷりな座談会

<今回の参加者>
陶芸家 額賀円也
株式会社ユープロダクツ 水玉代表 平子宗介
PRODUCTS STORE 店長 長山晶子
インタビュアー・編集者 笹田理恵


東京都出身、現在は岐阜県土岐市に工房を構える額賀円也さん。工房の敷地内に薪窯を作り、地元の若手作家を中心に共同作業でものづくりを続けている。座談会では、盟友である陶芸家・石川裕信さんや薪窯メンバーとのエピソード、そして長年活躍し続けている陶芸作家がゆえの葛藤も。自らを大きく見せることなく、嘘がない額賀さんの言葉の端々から、額賀さんの元に人が集まる理由が感じ取れるのではないでしょうか。

【額賀円也 × PRODUCTS STORE たっぷりな座談会】
01

「絵が上手くなきゃダメだ」と思い込みを抱えた少年期

額賀 : うちは絵描きの家で、親父とお袋が東京藝大を出て、姉ちゃんもそれを目指していた。姉ちゃんはすごい絵が上手かったですね。

平子 : ご両親や家庭環境のハードルが、ものすごく高いですね。

額賀さん自身も、画家の道に進むことを考えていたんでしょうか。

額賀 : 俺はすごく神経質で、毎日学校でお腹痛かったんですよ。別に友だちとも上手くやっていたし楽しかったんですけどね。

平子 : それは精神的なものですか?

額賀 : 精神的だと思います。毎朝お腹痛くならないようにスポーツ新聞の占いで健康欄を見て「今日は◎だから大丈夫かもしれない」と思ったりしてた。

平子 : かわいい……!笑 でも、学校は楽しくて表向きは社会と折り合いつけているけど、どこかで気を使っていたってこと?

額賀 : うまく出来ないと嫌だなとか、人の目も気にするんですよ。親父が絵描きだから「絵が上手くなきゃダメ」という勝手な思い込みがあったし、美術の時間はすごく疲れてた。お袋がやっている絵画教室でずっと油絵をやっていて、それを姉貴が褒めてくれたこともあった。でも俺にはそう思えなくて、嫌で辞めちゃった。そういう家で育ったから普通のサラリーマンになる感覚は全然分からなかったけど。

その後、愛知県瀬戸窯業訓練校に入学して陶芸の道を進み始めるんですね。

額賀 : 入った時は、俺が一番やきもの出来なかったんですよ。でも、周りに経験者がいても悲壮感がなかったかな。何も知らないから、いまだに薪で焼いていると思っていたし。ガスや電気で焼くと聞いた時に俺は来るところを間違えたと思った。

絵を上手くなろうとは思えなかったのに、陶芸は未経験で下手だと感じていても上手くなりたいと思えたんですね。

額賀 : そう、不思議ですね。絵は最初から上手くないとまずいと思っていたのかもしれない。

平子 : やきものに対しては、上手くなりたいという思いが生まれた。

額賀 : 訓練校の時にパン屋で働いていて、レジ打ちもできなくて、女子高生に「ちょっとどいて」って怒られたりもした。笑 それでも自分がかわいそうだとは思わなかった。そういう場所でうまくいかなくても、俺はやきものをがんばるんだと思っていましたね。

【額賀円也 × PRODUCTS STORE たっぷりな座談会】
02

盟友である陶芸家・石川裕信との出会い

瀬戸の訓練校で、同じく土岐市で活躍する陶芸家・石川裕信さんと出会います。当時から仲良かったですか。

額賀 : 石川くんは最初に会った時から大丈夫そうな人だと思った。

平子 : 特別ですよね。石川さんと額賀さんって盟友じゃないですか。

額賀 : 訓練校で出会って、全然仲良くないのに石川くん家の狭いアパートでろくろを挽かせてもらっていたんですよ。

平子 : もう20年くらいの付き合いですか?

額賀 : そうですね。石川くんももう40だから、20年になりますね。

お互いの作品について意見を交わすこともありますか?

額賀 : それはありますよ。だいたい石川くんが悩んでいることって分かるから。新しい物に取り組むときに、これは続かなそうだなとか。

平子 : そこまで分かっちゃうんですね。額賀さんと石川さんはぶつかることもあるんですか?

額賀 : ケンカはないですね。

平子 : お互いに作陶していて、長く友だちでいられるってリスペクトしていないと難しい。

額賀 : もう最後の友だちじゃないかな。石川くんは、勝手に家に入ってゲームやっていても気を使わないけど、そういうのは他の人ではできない。うちは普通の感覚の家じゃなかったから、日本人が生きていく上で求められがちな建前的な気遣いとかなかった。石川くんは、つまんないことで気を使わない人っていうのが最初の印象だったかな。

平子 : むちゃくちゃ素敵な関係ですよね。

石川さんといっしょに住んでいた時期もあったんですよね?

額賀 : ここの家で、うちの奥さんと……子どもが生まれてからも1、2年は一緒に住んでいたかな。だから、この工房でいっしょに作っていた。

平子 : すごい。

完全に同じ生業で友だちと言い切れる存在は貴重だと思います。お互いライバル視はしないんですか?

額賀 : ライバル視はしないけど、俺がバイトしている時から石川くんはやきものだけで仕事になっていた。それは刺激になりましたね。早くバイトを辞めて、やきものだけでやっていきたいって気持ちがずっとあった。

この先ものづくりを続けていくうえでも、石川さんの存在は大きいですよね。

額賀 : そうですね。全然違うでしょうね。

平子 : 石川さんとの関係性があって、さらに薪窯のメンバーという横のつながりも生まれて。作陶を続ける上での良い刺激になりますよね。

平子 : 石川さんの取材でも話したんですが、近しい作家同士が集まって一つの窯を共有する薪窯のスタイルって本当は難しいやり方なのではと思う。皆さんの調和がないと続かない気がする。

額賀 : そうですね。陶芸家といえど、つまんないことを気にしますし。

平子 : 石川さんは、それでもみんなで集まって薪窯をやること自体が作陶に対してすごくポジティブな要因になっていると話されていて。

額賀 : 俺や石川くんは、それなりに長くやっているから外からの刺激が欲しいんじゃないかな。やっぱりいろんな人の作品を、その場で、焼く前から見られるのは刺激になる。

平子 : 夜通しで窯を焚く日の夕食は持ち回りなんですよね。前回はハンバーガーでしたっけ?

額賀 : うん。天ぷらもあったしハヤシライスとか。外でみんなと食べますね。

長山 : そういえば啓さん(河内啓さん・土岐市に工房を構える陶芸家)が来店された時に「薪窯メンバーのリズムが分からない」って話していました。「早く行ったら誰もいないし、遅く行ったら昼ごはんに出かけているし何なんだろう」って。笑

額賀 : じじいだから、やっかいですね。

長山 : ひどい。笑

平子 : いじられキャラだ。笑

長山 : 「みんなに作品を評価してほしかったのに」ってさみしそうでしたよ。ちょうどそのタイミングで新さん(大隅新さん・岐阜県八百津町に工房を構える陶芸家)がいらして、「次回は僕もいるから大丈夫です」と励ましていました。笑

額賀 : リズムか……「明日10時に来る」と言って、連絡もなく15時に来たりしますからね。笑

皆さん、約束の時間に遅れることもとがめない関係性なんですね。

額賀 : とがめないですね、何にも気にしない。俺も時間にルーズだし。友だちと約束の時間は守るけど、学校は始業時間に行けた試しがない。毎月反省文を書かされた。

平子 : それは朝が苦手ではなく、時間通りが苦手?

額賀 : 朝も弱いですけど。「学校に遅刻をしないと良い」という理屈が分からなかった。バイトに遅刻するのは気まずいし嫌じゃないですか。学校は「遅刻をしちゃいけません」という教えでみんな通っていたけれど、なぜ遅刻をしちゃいけないのかが分からなかったし、もうちょっと寝た方が効率良いんじゃないかと思ってた。俺は10時から始まるんで、って。笑

平子 : 既存のルールに盲目的に従うよりも、疑問を持ったり、自分のペースを守ったりするのは、ものづくりをする人の一つの共通項としてあるのかもしれない。悪く言うと社会性がないということでもあるけど、すごくポジティブな要素もあって、自分の哲学や自分のペースで生きるという考え方を根っから持っている。

額賀 : いちゃもんつけるのが好きなのかもしれない。今でも「なんで?」って思うのは好き。

平子 : 僕もそうですね。世の中を斜めに見ている。

額賀 : めんどくさい人間なんですよ。でも、こういう仕事でもやることやらないと大変だからサイクルとしては安定している。遅い時間にズレて規則通り。今日ひさびさに早起きしました。最近は昼12時起き。

平子 : 石川さんも同じようなことを言ってた!

額賀 : 起きてからご飯を食べて、韓国のゾンビドラマを観て、コーヒー飲んで仕事して、子どもを迎えに行って夜はゲーム、って感じです。

平子 : だいぶ稼働時間が短いですね。笑

額賀 : そうですね……すみません。笑 良くないとは思っているので、今日の早起きを機会に変えられたらなって。

平子 : 作家さんの中には、サラリーマンのように毎日9時~17時で作業する人もいるんですか?

額賀 : いるんじゃないですかね。俺は、夜に作業するのはあまり好きじゃない。夜は、仕上げや型物はやってもいいけど、ろくろは引きたくない。

【額賀円也 × PRODUCTS STORE たっぷりな座談会】
03

薪窯で「焼き」の暴力に頼りたい

平子 : 2月26日(土)から始まるPRODUCTS STOREでの個展。進捗はいかがですか?

額賀 : ほぼ制作は終わってますよ。刷毛目の壺は、新くんの所で作っている薪窯で焼こうかなって。

平子 : 額賀さんや石川さんには店を始めるまでのプロセスを聞いてもらっているからこそ、個展を開催できるのがとても感慨深い。

額賀 : そうですね、平子さんなんて俺が何やっているのか分からない頃から声を掛けてもらって。

平子 : 作品が素敵だったのは当然だけど、額賀さんや石川さんの人柄や姿勢に惹かれたんですよね。これからを担っていく世代という点も含めて。あと、その当時は二人とも「お金持ちになる」という野望を持っていたのも気持ちよかった。

額賀 : 全然覚えていないですけど。お金持ちになりたいって言ってるのに、俺と石川くんはゲームばっかりしてた。笑

平子 : そこがまた面白い。笑

額賀 : お金は欲しいじゃないですか。でも、こういう仕事をしていると自分が作らないとお金にならない。より稼ぐには一個の作品に時間を掛けて単価を上げるか、数をたくさん作るしかないんですけど、どちらもきつい。生み出す……と言うと偉そうだけど、物を作るのってきついことだなと最近すごく思う。

平子 : どこからモチベーションが生まれてくるかですよね。自分が作りたい衝動で作陶しているのだとしたら、注文を受けるだけでは苦痛になるじゃないですか。注文をやってお金に変えることで生計が成り立っているから苦しくてもやるしかない、という発想もあると思う。

額賀さんは、自分の作品に対する評価基準は常にブレないですか?

額賀 : 自分の作った物の中ではあると思います。だけど、なんとなく限界を感じ始めてきて、薪窯で「焼き」の暴力に頼りたいと思ったんですよ。絵は何のごまかしも利かないのが怖かった。やきものは、恥ずかしくてさらけ出せない物も、上手く焼けたら全然恥ずかしくなくなる側面がある。

平子 : 自分でコントロールできないところに預けて、焼きあがった物を気に入るかの基準もありますよね。

額賀 : 出来上がった物が、自分の中の「これくらいまでいけたらいいな」って基準は超えられなかったとしても世に出して、自信満々な面をしていなきゃいけない。それには、だんだん慣れてきましたね。

平子 : それはプロフェッショナルですね。

額賀 : 昔、小澤さん(土岐市に工房を構える陶芸家・小澤基晴さん)に「こないだの個展どうだった?」と聞かれたときに、「焼きが上手くいかなくて、いつものやつ出せたら全然違ったと思うんです」って答えたら「それも含めて、今の実力だよね」と言われたことがすごく心に残ってる。まさにその通りなんですよ。「自分の中ではもっと出来たはずなのに、今回はできませんでした」と言うのは本当に良くない。

作品を通じて、常に自分の実力と向き合わざるを得ないんですね。

額賀 : 「俺にはダメな所があって、それを分かった上でこのまま相対するしかない」とどこかのタイミングで思ったんです。ちょっと大きく見せよう、俺は出来ているんだぞって伝えたかった時期もあったはず。でも、ぼろが出るんですよ。

平子 : 前に額賀さんが「今回すごく良く焼けたから売れるかどうかよりも、上手く出来たことに満足度がある」と話をしていたのが印象に残っている。額賀さんの性格を知っているから強がりに聞こえなかったし、本当にそう思っていると感じて。でも、自分が良いと思う作品が売れることもあれば、腑に落ちない物が売れたりもするじゃないですか。お客さんの反応や売上は大事ですが、自分が満足する物を作っていくことが優先順位として一番大切ですか?

額賀 : 人のため、が好きじゃないんですよ。「あなたのために作りました」とか「あなたの食卓が明るくなるように」とか、そういうことを言うやつは大嫌いで。笑

平子 :

額賀 : だから、自分にとって満足感のある作品でお客さんが喜んでくれたらうれしい。平子さんが言ったように自分が乗り気じゃない器が売れることが多いですよ。一般的で使いやすくて、尖っていない器の方が出やすい。でも、それに助けられてきた部分の方が大きい。自分が出したい器よりも、そいつらの方が俺に対して貢献してくれているから。だから今は何にも思わないです。

そう割り切りながらもモチベーションを維持し続ける大変さはないですか?

額賀 : 作っている時に、つまんねーなとも思いますよ。だからといって、面白い器は簡単には作れない。

平子 : 額賀さんの作品が世に受け入れられているからこその葛藤ですよね。

額賀 : ものづくりやSNSもそうだけど、人間って人に影響を与えているときが一番うれしいんじゃないかと思う。そのためにみんな何かをやっている。でも、大概の人が誰かに影響を与えるような変態性を持ち合わせていないんですよ。俺もそう。人を驚かせるような物を作りたいってずっと思っているけど、何から変えていけばいいのか。

自分の作品のスタイルが確立されているからこそ。

額賀 : 人の手って不思議で、その人のなるようになる。石川くんの作る物は、俺には作れない。真似ようとしても真似られない。「らしさ」をぶっ壊すのは、すごく大変。出来上がったスタイルをどうやってぶち壊せばいいのかは悩みです。

世に出すつもりじゃなく、実験的に作り続けている側面もあるんですか?

額賀 : それなんですよね、大事なのは。時間外行動にモチベーションが向くかどうか。若い時は土や釉薬からいろいろ実験していて、全然苦じゃなかった。でも今はきっと、できれば時間外にやきものに向き合いたくないって思っている。一旦、安定してきたら急にダレ始めてきたのかもしれない。笑

平子 : そこまで辿り着くのがすごいことですけどね。いまはそういう時期なんじゃないですか。いつか順番が回ってくるというか。

額賀 : お金のため、褒められたい欲求にせよ、どんな動機でもモチベーションをずっと維持できるのはすごいと思う。ただ模索していかないといけないからこそ、毎月薪窯を焚いている。

平子 : ずっと頭の片隅に置いてあるからこそ、そういう発想が出てくるんですよね。

今後がらっと新しいスタイルでものづくりする可能性もあるんでしょうか。

額賀 : そうですね。ずっと好きでやっているのは刷毛目。でも、すごく難しい。しかも、刷毛目ってやり直しがきかないから自分の中で落ち込みやすい器なんですよね。

平子 : 刷毛の工程で台無しになることがあるから。

額賀 : 「良い刷毛目」って感覚が自分の中ではあるけど、買いに来る人がどれだけそれを求めているのか分からない。どの刷毛目も同じに見えているのか。

長山 : うちのお客さんには、極力在庫を出して全部並べて選んでもらっています。荒々しさが好みの方もいれば、きっちりしている物を求める人も。お客さんに寄りますね。

額賀 : 今回、個展に向けて花器をお願いされて。普段はあまり花器に取り組まないからすごく面白かったですよ。

平子 : そう言って思ってもらえてよかった!

長山 : 銀彩もやるかもっておっしゃっていましたけど、その後どうですか?

額賀 : 銀彩やろうかと思っているんですけど、テストを重ねようかな。銀彩はなんとなくノウハウがあるからやろうと思ったらできるんですよ。

長山 : もし個展のときにあれば……。

額賀 : え、銀彩!? まじっすか。

長山 : 会期の途中でもいいです! 持って来てもらえれば。

【額賀円也 × PRODUCTS STORE たっぷりな座談会】
04

あの人から見た、陶芸家・額賀円也

陶芸家・小澤基晴

額賀君は、粉引、刷毛目、三島、黒釉などの李朝の陶磁器をお手本としながら現代の生活に合った器作りを模索してきました。
李朝は私も好きですが、自分の仕事にするには技術、知識、覚悟、あるいはその全てが足りないと感じ、早々に諦めてしまいました。
彼の仕事を間近で見てきて、一貫したその美意識の高さと、それを裏付ける努力に感じ入らずにはおれません。

一昨年志を共にした仲間達とついに念願の薪窯を築き、以来かなりのペースで焚いているようです。
彼にかかれば一般的に扱いが難しいとされる薪窯も、まるで大きなおもちゃを得たような感覚なのではないでしょうか。
うまくいけば皆で喜び合い、失敗したらまた作れば良いという基本的なその姿勢は、ものづくりの原点といえるかもしれません。
そもそも私は仕事を楽しめていたでしょうか。いつも不自然体の私が自然体の彼から学ぶことは多いです。

薪窯が器にもたらす新しい景色は、私のような彼のファンはもとより、きっと彼自身の想像さえ超えるものになっていくと思います。
額賀君のこれまでとこれからを示すことになるであろう今展を心から楽しみにしています。

山の花 店主 花山和也

僕から見た円也さん

円也さんは、少年のような無垢さと無邪気さを持ちながら、周囲の人に優しく、リーダーシップを持ち合わす。
時には厳しく聞こえる確信に迫る問いを投げかけるが、決しておべんちゃらを言ったり、その場凌ぎの取り繕いをしない信頼できる人。

自身の確固たる製作スタイルがある円也さんの言動から感じるのは「信頼できる陶芸作家」であるという事。そして、その手によって生み出されるのは「信頼できる陶芸作品」だと思う。

その信頼は、もしかしたら自分自身の好みや気分、好き嫌いの判断を超えるのかもしれない。

 

陶芸家、河井寛次郎の詩の「物買ってくる 自分買ってくる」という一節にあるように、物を買うという行為は自分の価値観や美意識を基準にして、今これが欲しいとか、これは違うという判断をしているが故に決して自分から逃れることはできない。

しかし円也さんの作品は、自分自身の判断を超えても選ぶべき、「信頼に足る作家の信頼できる作品」であるように思う。

もしも購入を迷うなら、円也さんを信じて是非ともあなたの食器棚に加えてほしい。
きっとその器は、永くあなたのために活躍してくれるはずだ。

※円也さんの代名詞である三島はもちろん良いが、個人的には黒釉薬の作品も推したい。土の味と黒釉薬の深さ、その中に現れる色のグラデーションや質感の違い。いつ見ても新鮮に感じる黒。とても好みです。