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PRODUCTS STORY

3RD CERAMICS×PRODUCTS STORE
たっぷりな座談会

01 「何でもやります」の経験があるからできること
02 「家族優先」という3RD CERAMICSのスタンス
03 付加価値という言葉が、不要になるものづくり
04 「作家じゃない」でつながった二人の現在地

<今回の参加者>
3RD CERAMICS 土井 武史、長屋 有
株式会社ユープロダクツ 代表取締役 平子宗介
PRODUCTS STORE 店長 長山晶子
インタビュアー・編集者 笹田理恵

撮影 加藤美岬

2014年から多治見市を拠点に活動する3RD CERAMICS(サードセラミックス)。多治見市陶磁器意匠研究所で出会った土井武史さん、長屋有さんは、個人作家ではなく、大きなメーカーでもない、「第三の陶芸」のあり方を模索しながら活動を続けています。

3RD CERAMICSは、自らろくろを挽くもの、手作りの原型で量産する商品、窯元の技術を使う器など、さまざまな表現と視点を包括しています。その商品からは、繊細さと素材感へのこだわり、独自のカラーや思想が感じられます。

「作家と量産の間」というあり方は、ものづくりを志す人、そして産地にとっても希望となる存在です。今回は、仕事観や家庭、ブランドの立ち位置ややきものの視点など話題は多岐にわたります。お二人のゆるぎない軸と変化を続ける柔軟さのバランスを感じ取ってみてください。

【3RD CERAMICS×PRODUCTS STORE
たっぷりな座談会】
01

「何でもやります」の経験があるからできること

平子 : 3RD CERAMICSの「第三の陶芸」という立ち位置で仕事ができるという強み。可能性をすごく秘めていますよね。3 RDさんの視点で窯元のポテンシャルを引き出しているし、産地にもプラスになっている。窯元さんとコミュニケーションが取れて、販路も自ら開拓できるから、これからもっと面白いことができそうですよね。

3RD CERAMICSは、流通で商社を介していないですよね?

土井 : そうですね。ユープロダクツさんが唯一にして初めてです。

長屋 : 単発はたまにあるけれど、大抵かけ率や価格で頓挫してしまうので。

平子 : 3RD CERAMICSが立ち上がってすぐにお会いしましたよね。うちの企画商品としてアレンジしてもらおうと伺ったけれど、FLOWER VASEの完成度が高くて、このままお取り扱いさせて頂きたいという話になった。

ユープロダクツとの取引はなぜ続けているんですか?

土井 : 元々僕は、地元のメーカーに勤めていて商社さんの様子を知っていたので、初めは「え、商社が来たの?」と少し警戒していたけれど、やり取りするうちに「そんなに待遇がいいことある?」と。そもそも最初のベースが違ったので「やろう、やろう!」って。

その時は疑わしい気持ちもなく?

土井 : そういうこともなく、実践的かつ物理的に僕らに良い条件を提示してくださった。具体的に一つあげると、サンプル代を出してくれること。そんなものを出す地元の商社さんは聞いたことがない。サンプル代はこちら持ちで、うまく仕上がったら取引しよう、が普通。もちろん作り損もあることが勤めていたメーカーでは基本でした。だから全然違ったし、こんな商社があるんだと驚いた。

平子 : たしかに、メーカーさん側から「サンプル代はいらない」と言われる場合もあります。気軽に商品を持って営業してほしいという意識があるのかもしれない。商社は、それが当たり前になっているんですよね。

長山 : 初期の3RD CERAMICSOEMとして他社の製品も作っていましたよね。

長屋 : 最初は「何でもやります」みたいな感じだったので。

平子 : まずは経験値をためるために?

長屋 : 3RD CERAMICSが始まる前、土井くんがメーカーで働いていて、僕が居酒屋でバイトしていた頃。僕は「ブランドを作りたい」、土井くんは「オーダーメインでお客さんの要望を聞いて作りたい」と言っていた。だから、仕事になれば何でもよかった。これはやりたくないという経験も大事だったし、やってよかったです。

長屋さんはブランド、土井さんはオーダーメインでものを作る、となるとスタート地点が違うように感じますが、どこで意気投合されたんですか?

長屋 : 何を作るかはお互い見えていなかったけれど、規模感のイメージが合っていたところかな。

平子  :一緒にやるという前提で?

長屋 : 二人でというか、一人ではできないというイメージ。そういうところで模索できないか、という点が共通していた。今はもうOEMをやっていないとはいえ、土井くん指名で注文を頂くよね。割とシビアなものも。

土井 : レストランから「何ccのスープを入れる器を作ってほしい」とか。東京の星付きレストランのシェフの方と直接お話をしたり。

平子 : へえ、すごい!

長屋 : 土井くんは、やっぱり最初に「オーダーをやりたい」と話していたし、今もくーーって言いながらも続けている。性に合っているんだろうなと思う。楽しいでしょ?

土井 : 楽しい……半分半分かな。笑

平子 : 3RDさんのステージがどんどん変わっているんですね。

長屋 : 今も企業さんに向けてスポットで提案することはあります。その提案ができるのも過去の経験があったからこそ。引き出しが増えたし無駄にはなっていない。

【3RD CERAMICS×PRODUCTS STORE
たっぷりな座談会】
02

「家族優先」という3RD CERAMICSのスタンス

平子 : OEMの時からいろいろな人と仕事してきた中で、うまくいかないのはどんなケースですか? 作り手のモチベーションを汲んでくれないとか?

長屋 : 僕らが作る商品は、現場で見つけたことを活かしながら作っています。作りながら見えてくる反応や現象を落とし込む。そういうやり方を理解してくれる人だったら一緒に仕事したいと思う。ただ図面を引いて「これを何個」なら、うちより適しているメーカーがいっぱいある。今はお互いのためにそういう仕事は受けないし、他の方を紹介することもあります。

平子 : なるほど。

長屋 : ある程度3RDのスタンスを理解してくれていて、うちから「こんな感じで一旦投げます」くらいで先方に渡して、「じゃあ、こちらからまた提案を出します」みたいなチャッチボールができるところは、いい仕事になることが多い気がしますね。

いろいろあると思いますが、3RD CERAMICSのスタンスを一つ言語化するとしたらどう伝えますか?

長屋 : …………(熟考)

土井 : あれじゃない? いつも言っている「家族優先」じゃない?

長屋 : ああ、なるほど。

平子 : 早朝に工房へ来て、夜は家にいるようになったんですよね。以前は22時や23時でも3RDさんの工房は電気がついていた。

家族優先で、夜は仕事をしないと切り替えたタイミングは?

長屋 : それを言葉にしたのは、土井くんにも子どもが生まれるタイミングですね。

長山 : ここ23年なんですね。

長屋 : 皆さんに3RD CERAMICSの器を素敵に使ってもらっていて、そういう世界観を提案しているのに、自分たちがボロボロだったら示しがつかないし、ちょっと妙だなと。だから、素敵な暮らしができなくても最低限の生活をしておく。そうじゃないと新しい商品も作りづらくなる、という考えもあって思い切りました。もちろんどうしても間に合わない時はありますが、基本夜は仕事をしない。

平子 : なるほど。

長屋 : となると、アルバイトの子に力を借りなきゃいけないし、商品の作り方や設計が変わる。前までは、自分でろくろを挽かないと納得いかないものも多かった。もちろん今もそういう面はあるけれど、家族優先でできる範囲で。

工房では作家として活動されている方がアルバイトとして働いていますよね。

平子 : やきものを志す人たちが、作陶に関わりながらバイト代と先輩からの経験値がもらえて、作家としてやっていくためのステップアップになるのはすごくいいことだと思う。そういう視点もありますか?

長屋 : ありますね。僕も最初の23年はフリーターみたいに居酒屋で働いていたので、アルバイトをすればお金が入った。でも、30歳でバイトを辞められなかったらやきものをやめると決めていたから、30の時点で無理やり辞めたんです。そこからの2年がめちゃくちゃしんどかった。もう本当にお金がないし……それは僕の中でトラウマレベルの経験。作らないと世の中にアピールもできないけど、作品を作っていてもお金が入らない。

平子 : たしかに、その時点で挫折する人は多そうです。

長屋 : 土井くんも僕も、この10年で何がきつかったかって別の働き先を離れた12年の期間だったと思う。だから、作家として独立の切り替えが一番しんどい時に手を差し伸べてあげられるアルバイト先になりたい。自分がそういうバイトに出会えなかったからこそ。うちで責任感を持って働いてもらうから、他でバイトするより絶対に効率がいい給料の立てつけにしたい。週5日は自分で制作して、週2日はバイトに入ればなんとかなるような人が、うちを上手に使ってもらえたらありがたいですね。

【3RD CERAMICS×PRODUCTS STORE
たっぷりな座談会】
03

付加価値という言葉が、不要になるものづくり

平子 : 今は生産量以上の発注がある状況ですが、3RD CERAMICSがプロデュースするような自分たちの手を動かさない商品開発の可能性はありますか。

長屋 : そうですね、興味はある。ただ、この規模で作っているから、そういう仕事をどこまでできるのか正直分からない。できたらいいなとは思うけど。

平子 : 商社の立場からすると、産地の技術がどんどん失われていることに危機感を感じています。高齢化に加え、市場が求める合理性を追求した結果、手間のかかる技術を求められなくなり、30年前にできたことが今は本当にできない。3RDさんの視点で、産地のリソースを見直したり、産地の機能と組み合わせてもっと新しいものを引き出せないか。付加価値をつけて売るという言葉はチープだけど、3RDさん知見を産地の技術と組み合わせると可能性を広げる余地があるんじゃないかと思うんですよね。

長屋 : 全然、誰を指すつもりはないですけれど、どんどん「付加価値」という言葉を極力使いたくない感じになってきていて。価値があるものは、きっと価値がある。今はそもそも価値がないようなものに価値をつけようとするから付加価値という言葉を引っ張り出さないといけない状況になっている気がする。だったらしっかり作って、付加価値と言わなくても価値を感じてもらえるものを素直に作った方が妙な言葉遊びをせずともお客さんに選んでもらえるんじゃないかと思う。

付加価値という言葉が必要じゃないくらい、そのものに価値があればいい。

長屋 : どうしてもブランドの背景や歴史を伝えないと商品を語れないものがすごく増えてきている。それよりもパッと見で「なんかいい」という感覚で選んでもらえる方に力を入れる人がもう少しいてもいいんじゃないかな。もちろん全員じゃなくていい。僕らは、そういうところに挑戦している気がする。

平子 : 素晴らしいチャレンジです。

長屋 : とはいえ、僕らは本当に語らなさすぎたのでnoteは始めました。僕らが何も言わなくても、お店さんがすごく工夫して売ってくれていて、そこにあまりにも依存していた。植木鉢やごはん茶碗などの新商品を出したので、お店に向けて発信しています。読んでお客さんへの説明の一つにしてもらってもいい。エンドユーザーに向けての発信は我々のタイプ的に続けられないので、引き続きそこはお店さんに甘えさせていただきたいなと。

平子 : 今までは商品が語っていたということですよね。

長屋 : そう言ってしまえば非常にありがたいですが。

平子 : バイヤーが紹介してくれる良さもありますよね。自分たちが「うちのここがすごいだろう」と言うのは難しいじゃないですか。作り手の思いを受けて店が語るのも必要な役割分担だと思います。

長屋 : あと、最近は友だちから「3RDってどこで売っているのか分からない」と言われていて。だから商品を出荷するときにInstagramのストーリーズで「〇〇に出荷しました」という出荷情報を載せるようにしました。地味だけど、これも大きな一歩。笑

長山 : 確かに分かりやすいですね!

長屋 : そのストーリーズも反響があって、初めて取扱店さんがいいねしてくれたり、発送した商品をすごく紹介してくれたり……もっと早くからやればよかった。お店さんに向けて何もしなかったのは申し訳なかった。今までごめんなさい。笑

平子 : ちゃんと課題を持って前に進んでいるんですね。

https://note.com/3rdceramics/n/na6838997978b

【3RD CERAMICS×PRODUCTS STORE
たっぷりな座談会】
04

「作家じゃない」でつながった二人の現在地

3RD CERAMICS2024年で10周年。10年でどんな手応えを感じていますか?

平子 : 想定とどれくらい違うのか?

土井・長屋 : …………

始めた時、10年後のビジョンはあったんですか?

土井 : 全くなかったですね。僕は目の前のことばかり考えちゃうので。来年こうなったらいいな、くらいはあるんですよ。でも10年前に想像していない現状になっていると思います。

長山 : 良い意味で、ですか?

土井 : 良いのか悪いのかも分からない。

そのくらい淡々と、着実に進んできた10年だったんでしょうか。

土井 : 着実でもない……。笑 毎年折に触れて「昨年はここが課題だったね」「来年どうしようか」と二人で話し、少しずつこなしていって、それが結果となってきているかな。でも、その先このままでいいのかはまた別なので。

長屋さんはどうですか?

長屋 : なんせ初期は順調さのかけらもなかったので。来年続けられるのかどうか。例えば、11日に昨年のことを思い出して、「一昨年よりも昨年はちょっと進んでいるな」という「前年よりはいい」を毎年やって。5年間くらいは「進んでいるはず」と自分を騙しながらやっていた。やっとここ3年くらいで変な騙しがなくなった。

長山 : 今の3RD CERAMICSを知る人だと信じられないですよね。

長屋 : あと最近は、自分たちの立ち位置の捉え方が変わった。前からだけど3RD CERAMICSを誰が運営しているのか知らない人が多いんですよ。3RD CERAMICSという名前を押し出して、自分たちを前に出すことをしなかったので僕らが認知されていない。展示会で土井くんが3RDの人として話している中で、「3RD CERAMICSの人なんですか?」と聞かれて「そうです」と答えたら「えぇーー!?」って驚かれるほど謎な存在。

平子 : そうなんですね。笑

長屋 : あとは、3RDのお皿を買ったお客さんが「〇〇(店名)のお皿が素敵」とストーリーズであげていることもある。でも、それがうれしくなったんです。ちょっと前だったら「それ、うちのだし!」みたいな気持ちがあったんだけど、今は全くなくなった。

平子 : 自己主張をしなくてもいいくらい自信がついたんですね。

長屋 : そうかもしれないですね。今のポジションは3RD CERAMICSより自分たちが一歩引いている。裏方に徹しているわけでもないけど、これも心地良いし、むしろ楽だなって。

作家として世に出たい、という気持ちはお二人ともなかったんですか?

長屋 : 土井くんと馬が合ったポイントが「結局、作家じゃない」というところ。3RDを始める前はお互い働きながら作家活動をしていたけれど、一緒になったグループ展の時に「作家ってしっくりこない」という話をぽろっとしたら同じ心境だった。じゃあ、作家というかメーカーというか……何かそういう小さいのをやってみませんか?というところからのスタートなので。

「じゃない」でつながるのは、面白いですね。

平子 : それに気付けるのもすごいですよね。10年続ける中で辞めそうになったこともあるんですか? 就職しちゃおうかな、とか。

土井 : ……ずっとありますよ。笑

平子 : もちろん葛藤もありますよね。笑

ここから3RD CERAMICSしての目標はありますか?

土井 : 海外でやってみたい気持ちはあります。vasemanを海外の方に見てもらった時にどんな反応があるのか。

長屋 : 展示会に出られないかな~みたいな可能性は探っています。

海外は、販路としての可能性よりどんな人が手に取ってくれるかを知りたいということですか?

土井 : もちろん売れてほしいのもあるけれど、海外ではどう見えるのかが知りたい。今まで3RD CERAMICSvasemanを買ってくれた方とは全然違う人が手に取ってくれるだろうなと。

長屋 : 東京の展示会で「ヨーロッパの人がめっちゃ好きそう」と言っていただける機会があって。とはいえ海外は具体的ではないし、お客さんが増えたらうれしいけれど仕事が増えて古くから付き合ってくれているところを待たせるのはどうかという思いがあるから、とりあえず現状をもう少しスムーズにできてから次のステップですかね。

ちなみに個人としては、どんなことが未来へのモチベーションですか。

長屋 : 僕は全然やきものへの執着がなくて。ダメだったらスッと辞めようと思ってる。笑

長山 : 3RDを始めた頃も、今もですか?

長屋 : いや、当時はまだ始まってもいないという感覚だったし、とりあえず3年、5年と言われたので続けていた。でも、ある種のすごくドライな部分を持っている。「やきものや陶芸が大好き」「作れてハッピー、一生こうして作っていたい」みたいな気持ちはなくて、今は仕事として回せるので回せる限りはやりたいと思う。だから平子さんの「産地の30年先をどうにかしたい」という熱い気持ちには応えかねる。笑

平子 : 分かります。笑 僕も必要に迫られて言っているだけなんですよね。産地で会社を続けてきたら課題がいっぱい見えてきたので、これをなんとかしないと僕たちも危ういということなので……熱い思いでやっているというよりは淡々とやるべきことが見えたという感じです。

長屋 : そうなんですね。

平子 : それに長屋さんの姿勢はすごく正しいと思います。僕は「好きなやきものをやっていたら食えなくても当たり前だ」というスタンスがあまり好きじゃない。仕事としてちゃんと成り立つことも大事。だから、ちゃんとものづくりを仕事として見られることは、続ける上で重要な要因だと思う。

長屋 : そこは「家族第一」にもつながってくる。あと、plant pot(植木鉢)のステンレスの受け皿のように土じゃない素材を扱えるのも、やきものに縛られすぎていないからかもしれない。一歩引いて見ることができる。とはいえ、もちろん情熱的な部分もありますし。

平子 : お二人は、作家を目指す人たちにとってすごく良いモデルケースになると思う。やっぱりやきものを仕事として捉えたときに、お金のやりくりや納税はもちろん、仕事として立ち上げて継続性を持ってやる難しさというリアルを知らないと作家として鳴かず飛ばずになりやすい。難しいことばかりでなく、仕事として成り立たせるために必要な要素は3RD さんから吸収できると思う。

長屋 : 最近、土井くんがそのあたりのことをアルバイトの子に言っているよね。

土井 : 個人事業主の届けは出した? 確定申告はこうやれよ、とか。

平子 : そういう先輩の存在が大事だと思う。

ちなみに、お二人は尊敬する人はいますか?

土井 : 最近ふわっと出てきたのは……北大路魯山人です。

平子 : おおー、なるほど。どんなところがですか?

土井 : 食器を作って、使うところまでプロデュースして商売として成り立っていたのは素晴らしいなって。作家性やクリエイティビティもさることながら商売としてすごい。

長屋 : 僕は、村上雄一さんや大江憲一さん。この世代の先輩は話を聞くとリアルな手本になる。あと、ちゃんと人生が楽しそう。趣味とか作る以外のところで抜けがありつつも、作る時はしっかり作る。ちゃんと抜け感を持っている人はめちゃくちゃいいな~。そうなりたいな~と思いますね。

自分よりもキャリアのある先輩が、人生を楽しんでいると安心できますよね。

平子 : 楽しそうに働いている人が増えるのはものすごく重要ですよね。

長屋 : 最近は、周りに良かったことを言うようにしているんです。意匠研に通っていた頃、先輩と飲みに行って「大変だよ、やきものは」と苦労話が多かったのが嫌だった。自慢ではなく、いい仕事が決まったとか「いいこともある」を話した方が希望は見えるかなって。

地域や産地としても「うまくいっている」と気持ちよく言える関係性になるといいですよね。足を引っ張ることもなく、自然に応援できる関係になっていけたら。

長屋 : 本当にそうですよね。

平子 : 儲かっていてもコソコソする必要もないし、周りも単純に「すごい」と称賛すればいい。それが産地の希望になる。いつまでも話は尽きませんが、土井さん、長屋さん、ありがとうございました!